第5話 「エリーザの恋」

秋になって幸運が舞い込んだトーマス一家では、バートが鉄道の仕事に就くことができました。バートはもう10日も続けてまじめに働き、アンは平穏なトーマス家をとても喜んでいました。これであと、エリーザがエマーソン家のパーティに招待されたら申し分ありません。エリーザはお針子仲間とパーティの噂をしていましたが、家が貧しすぎる自分には縁がないものとあきらめていました。仕事を終えたエリーザたちが外へ出ると、そこには馬車とともにロジャーが待っていました。ロジャーは他の少女たちに目もくれずにエリーザに声を掛けてきたのです。紅葉が美しく映える川辺を静かに歩く2人。ロジャーはエリーザに微笑んで手を差し伸べると、自分がロンドンへ行かなければならないこと、エリーザと結婚して一緒に行って欲しいことを優しく告げ、来週のパーティにエリーザを招待するのでした。家に戻ったエリーザは、驚きのあまりぼうっとなったままアンに結婚を申し込まれたと話し出します。アンは始め自分のことのようにとても喜んで祝福していましたが、エリーザが結婚したらトーマス家からいなくなってしまうことに気付いてしまします。途端に悲しそうな顔になるアンに、エリーザはアンも一緒に暮らそうと話し、2人は固く抱き合うのでした。でも夜になってこのことをジョアンナとバートにエリーザが打ち明けると、ジョアンナはアンを一緒にやることに怒り出します。エリーザ一人いなくてもトーマス家にとってアンは貴重な働き手です。頑なに反対するジョアンナに、エリーザは呆然とするほかありませんでした。

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