第7話 「木枯らしとバラの花」

新しくトーマス家にやって来たノアは、とても面白い顔をしていつもニコニコしている赤ちゃんでした。今日もノアの世話をするアンでしたが、部屋の食器棚のガラス戸にケイティ・モーリスがいるのに気付きました。アンはガラス戸が映し出すのはアン・シャーリーではなくケイティ・モーリスです。ケイティはエリーザがいなくなったこの家で、たった1人のアンの友だちでした。これからアンは自分の気持ちを全てケイティ・モーリスに話すことにしたのです。その頃ミントンさんの家には、フランクリン夫妻が伯母を訪ねてやって来ました。高齢のミントンさんは腰を痛めて家事もままならないのですが、偏屈なミントンさんは他人を嫌って人を雇おうとしないのでした。町に戻った夫妻がジョンソンさんの雑貨屋で夫妻新しいお手伝いさんをどうするか話していると、ちょうどそこへジョアンナと一緒に町に来ていたアンが入ってきました。話を小耳にはさんだアンは、自分がお手伝いに行ってもいいと名乗り出ます。アンに子猫のロキンバーをくれたミントンさんは、とてもお礼が言いたかったのです。さっそくお屋敷に向かったアンですが、ミントンさんはアンの呼びかけにもちっとも顔を見せません。黙って家の中に入ってしまったアンは、散らかった部屋を早速片付け始めました。するとようやくミントンさんが起きてきて怒ってアンを咎めますが、アンは全く気にしないどころか未だにミントンさんを「お友だち」と呼ぶ始末です。ミントンさんはアンの騒がしいおしゃべりにすっかり不機嫌になると、アンを残して部屋に閉じこもってしまったのです。

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