第14話 「ランドルフの夢」

週に三回だけ学校へ行ける日は、アンの胸は朝からわくわくと踊ります。その日の朝、ノアの世話で遅刻してしまったアンが教室に入ると、ランドルフが先生から間違えてしまった綴りを教えてもらっていました。ランドルフは余り勉強が得意ではありません。「成功」という言葉の綴りも分からず困っていると、アンが代わりに答えてしまいます。ランドルフはそれが悔しくて、思わずアンに石筆を投げつけてしまいますが、ヘンダーソン先生に見つかると、罰として休み時間も一緒に勉強するように叱られてしまいました。ランドルフの父親のマクギャバンは、貧しい生活から一生懸命に働き、今では大農場主として成功しましたが、自分の無学を悔やんで息子のランドルフがたくさんの勉強をして弁護士になることを望んでいました。ランドルフは、勉強が良く出来るアンが自分のことを笑いものにしていると思い込んで、アンに意地悪を言ってしまいます。ある日の作文の時間、未来の自分の夢について一つも書けず焦るランドルフ。アンが大好きなブラウニングの言葉を添えた自分の作文を読み上げた時、とうとう二人は取っ組み合いのけんかをしてしまいました。廊下に立たされた二人は、互いに意地を張り合って悪いところを譲らず、ヘンダーソン先生を大変困らせるばかりでした。帰り道、嫌々同じ方向に帰る二人でしたが、突然牛がやってきてアンたちに突進してきました。ところが、驚くアンを尻目にランドルフは見事に牛を手なずけてしまいます。不思議に思ったアンは、とうとうランドルフに、どうして弁護士になんかなりたいのかを尋ねてみるのでした。

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