第12話 「はじめての学校」

雪が溶け、アンが待ちに待った春がやってきました。今日からとうとう学校に行けることになったアンは、ロキンバーに興奮して話しかけたり、朝食を早く終えようとしてパンをのどに詰まらせたりと、朝から大忙しです。ホーレスはそんなアンを見て、学校ってそんなに面白いのかとジョアンナに聞くのですが、勉強が余り好きでなかったジョアンナにはアンの気持ちがさっぱり分かりませんでした。食べ終えたアンが席を立つと、突然ジョアンナがアンを呼び止めます。最後まで終わらなかった洗濯の続きをさせられるのかと思いアンはぎくりとしますが、ジョアンナは何とアンにお弁当を作っていてくれたのでした。ジョアンナは用意していたお弁当の包みをそっけなく指すだけでしたが、アンは感激の笑顔でお礼を言うと学校へと飛び出して行きました。1時間もかかる学校までの遠い道のりも、アンにとっては夢のようなひとときです。春の香りのする小道を歩むアンの前に、とうとう学校が見えてきました。でも学校が近づくにつれて、アンは少しずつ不安になってしまいます。学校の皆は自分のことを好きになってくれるかしら、学校には自分のようなもらわれっ子がいるかしら、と。不安で一杯になりながらも、校庭で遊ぶ子どもたちの姿を見てアンは思わず中に飛び込んで行きます。そしてヘンダーソン先生がやって来てアンを見つけ、二人は駆け寄り抱き合って喜びました。ヘンダーソン先生も春から正式に教師として採用されたのです。一年生として一緒に頑張りましょうと、二人は喜びに溢れて互いに励ましあうのでした。

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