第18話 「恋のゆくえ」

エッグマンと過ごす時間は、今ではアンにとって心から楽しみなかけがえのないものになっていました。アンは今日もエッグマンの弾くチェロを伴奏に、くるくると踊り出し、ヘンダーソン先生のいる学校がどんなに好きかをエッグマンに話していました。実はこのところエッグマンが変わったような気がするアンでしたが、会った頃には陰鬱な表情で自分をアナグマに例えていたエッグマンが最近良く笑うようになっていたのです。町へ行くエッグマンは相変わらず無愛想で、町の人たちは他人と交わらない彼を苦手に思っていました。ところがボストンからやって来たある紳士が、エッグマンがボストン一の名家の出身であることに気付き、町の人たちはとても驚きます。一方ヘンダーソン先生は、劇が終わって以来エッグマンと話せていないことを気に病んでいました。エッグマンに心惹かれ、アンと二人でいる時にも思わずそのことを口に出してしまう先生でしたが、そこへ偶然にもエッグマンの馬車がやって来ます。何とかエッグマンと話したいヘンダーソン先生は、思わず鶏の繁殖について知りたいなどと口走ってしまいます。アンはそんな先生を不思議に思いながらも、良いことを思いついたとばかりにエッグマンの家で雄鶏の誕生パーティーを開くことを提案します。そしてアンはついに、先生がエッグマンに恋をしていることに気付き、自分のことのようにうっとりとするのでした。いよいよパーティーの日、ささやかなお洒落をしようと雑貨屋で髪飾りを買い求めたヘンダーソン先生でしたが、先生の気持ちなど全く知らない雑貨屋のおかみさんから、エッグマンに結婚を誓った美しい音楽家の恋人があるという噂話を聞いてしまうのです。

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