第23話 「小さな命」

クリスマスが近づいたある日、トーマス家を揺るがす大事件が起ころうとしていました。ノアが屋根から落ちてきた雪に荷飲み込まれ下敷きになってしまったのです。薪を運ぼうとしてノアの声を聞いた気がしたアンでしたが、ノアの姿はありませんでした。不安になったアンは寝ていたバートを起こし、あちこちを探し始めます。アンは懸命にノアを探しますがどこにも見当たりません。アンがノアの声を聞いた辺りに来ると、後からやって来たバートはアンの話を聞き、たまった雪を見て突然顔色を変えます。バートはノアが雪の下敷きになっていることに気付いたのです。アンとバートは必死で雪をかき出してノアを見つけ出しましたが、ノアの体は冷たくぐったりとしたままでした。ちょうど仕事から帰ってきたジョアンナは半狂乱になってノアを抱きしめると、動揺するだけのバートを激しく責めたてました。暖炉に慌てて火をくべ、ジョアンナとアンがノアの冷たい手足をさすっているうちに、ようやくノアは薄っすらと目を開けますが、やがて酷い熱で苦しみ始めました。アンもジョアンナも必死に世話をしますが、ジョアンナのベッドに寝かされたノアは顔を赤くし苦しい呼吸を上げるばかりでした。見ていることしか出来なかったバートは、とうとう医者を呼びに行く決心をします。バートは外で必死に雪を集めていたホーレスに声を掛けると、自分の代わりに後を頼むと告げて腰まで埋まるような激しい吹雪の中を馬車で出発して行くのでした。

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