日本アニメーションは、創業以来、本物の感動こそが人間の心を豊かにするという理念のもとに、良質のアニメーションを世に送り続けて来ました。命の大切さや人間の尊厳や感動する心が見失われがちな今、本物の人間愛にあふれたドラマを子どもたちに贈りたいと思います。

こんな時代だからこそ、放映開始を待望され続けてきた「世界名作劇場」は、2007年1月、10年ぶりに復活しました。その第一弾、第24作目「レ・ミゼラブル 少女コゼット」に続き、記念すべき第25作は、ギリシャをはじめ、第二次世界大戦直後の混乱したヨーロッパ各地を舞台に、行方不明の妹ミーナを探して旅をする少年の物語「ポルフィの長い旅」です。

物語
20世紀の中ごろ、ギリシャのある寒村シミトラを突然大きな地震が襲う。村に住む幼い兄妹は家族を喪い離れ離れになる。「歌手になって歌を歌いたい」…妹がいつも話していた夢を頼りに、兄はパリを目指す。一方、たった一人の兄とはぐれてしまった妹は、旅の一座に拾われて故郷を遠く離れていく。両親を失い心に大きな傷を負った彼女にあるのは、突き抜けるような青空と、誰かといつも一緒に唄っていた歌。
故郷のギリシャから、イタリア、フランス…兄妹はいつの日か再会するため、大戦の悲劇を乗り越えて復興へと向かうヨーロッパの地で、力強く歩み続ける。