第15話 「想い出を抱きしめて」


(2008年04月13日)

15.jpg地震からひと月がたった。救護所での生活にも少しずつ慣れてきたが、ミーナはあいかわらずしゃべらないままだった。ある日ポルフィが車の修理をしている間に、ミーナがいなくなってしまう。大慌てで探し回ると、ミーナは海辺の岩陰で歌っていた。そして、ザイミスの母ドリーのもとに手紙が届き、救護所を出て親子で遠くの叔母の家に住まわせてもらうことになる。ザイミスが居なくなることを知り、不安に駆られるポルフィは、ミーナがアメリカへ養子にもらわれるという話も立ち聞きしてしまう。大きなショックを受けたポルフィは、ふたりですぐに救護所を逃げ出そうとミーナに話す。海辺の岩陰を待ち合わせ場所に定め、ふたりは見つからないようにバラバラに救護所を出てきたが、海辺へ向かう途中、小道に止めてあった自転車に気を取られ立ち止まるミーナ。街で見た「パリの花束」のワンシーンを思い出し、嬉しくなって自転車に触れていると、やって来た自転車の持ち主に盗もうとしていると誤解されてしまう。怒鳴られてパニックになったミーナは、海辺とは違う方向に走っていってしまい、ふたりはそのまま離れ離れになってしまった。