第43話 「友よ」


(2008年10月26日)

43.jpg大切にしてきた父の形見の工具も盗まれてしまい、打ちひしがれ当てもなく旅を続けるポルフィを慰めてくれるのはギリシャからずっと一緒に付き添ってくれたアポロだけになってしまう。秋の気配の深まる農村地帯をとぼとぼと歩き続けるポルフィだったが、途中で出会った農家の夫婦に親切にされ、ようやくほっと安心することができた。ポルフィが牛乳を分けてもらっていると、農夫の奥さんがミーナらしい10歳くらいの女の子を連れた一行の行方を近所の人に聞いてきてくれる。再び希望に力づけられたポルフィは、夫婦にお礼を言うと疲れた体を気遣いもせず一目散に街を目指して足を急がせるのだった。その頃ミーナたちは列車に乗って旅を続けていた。イザベラは相変わらず元気の無いミーナを慰めようと占いを始めるが、開いていったカードには「死神」が現れてしまう。「ミーナに大きな変化がある」という占いの結果に、すでにミーナを本当の娘のように思っているイザベラは不安を気持ちにかられてしまうのだった。