第35話 「信じるこころ」


(2008年08月31日)

35.jpg降りしきる雨の中、ポルフィは森を抜ける夜道を村を目指して歩いていた。その頃別の街の酒場では、今夜もカルロスが賭け事をし、イザベラが占いをする傍らにミーナは一緒に過ごしていた。カルロスに勝っていた客の一人が突然大声で賭けを降りると言い、カウンターに戻るなりミーナに視線を寄こしてくる。男はカルロスがお金の換わりにミーナを賭けたのにあきれ、イザベラにそのことを教えてくれる。怒ったイザベラは、テーブルに駆け寄るとカルロスの頬を張り、代わりに母親の形見のブローチを投げ出す。ミーナは突然の出来事にただ驚くばかりだった。雨の中を雷光に怯えながらまだ村を目指していたポルフィは、かすかな明かりを頼りに壊れた小屋を見つける。助かったとばかりに駆け寄った小屋の前には、サイドカーが停めてあり、ポルフィは思わずエンジンを覗き込む。すると、小屋の中から神父のジュリアーニが現れた。