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【2008年05月 バックナンバー】



第21話 「ドーラとの別れ」


(2008年05月25日)

21.jpg洞窟の町に住む老婆ドーラの家に泊めてもらったポルフィ。朝食の良い匂いに起こされたポルフィを、ドーラはかいがいしく世話を焼く。しかしポルフィは、貰ったキャンディーをおいしそうに食べる自分を見ていたドーラの笑顔に、ほんの少し違和感を覚えてしまう。その時、父の形見の工具が入ったリュックが室内に見当たらないことに気づいて、ポルフィはドーラの家を慌てて飛び出してしまった。迷路のような街の中でますます迷ってしまったポルフィは、再び見かけた少年チロに助けを求める。チロは、ポルフィの困り果てた姿を見て一緒にリュックを探してくれたが見つからない。困ったチロは祖父ガスパロに頼むことにしてポルフィを家に連れ帰ると、街の人々がみんなでリュックを探してくれることになった。落ち着かないポルフィをなだめるガスパロ。ドーラの昔からの知り合いだと告げるガスパロは、ポルフィにこの洞窟の町が1000年よりも昔からギリシャとつながっていたと教えてくれるのだった。

第20話 「洞窟の街」


(2008年05月18日)

20.jpgリュックを背負い出発を待つポルフィに、レオンは『まずは自分を助けろ、そうすれば神が助けてくれる』と旅立ちの言葉を贈る。内緒でアポロを連れ込んだ最新式の列車は、ポルフィにとって車とはまた違った興味を引くものだった。後から乗り込んできた妊婦や旅の男と話し込むうちに、行きたい方角とは違う列車だと知ったポルフィは、慌ててちょうど停止した駅に飛び降りた。周りは荒地ばかり出途方に暮れるポルフィが、遠くの岩山に見つけて向かった不思議な町は、洞窟の街・サッシだった。洞窟の家々が立ち並ぶ不思議な光景に、驚くポルフィ。人の気配が全くない町をさ迷ううちに、一人の少年を見つけるが、ポルフィの姿を見て逃げるようにどこかへ行ってしまった。後を追ったポルフィは、同じような岩の壁の入り組んだ町の中で自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。夕闇が迫り辺りが暗くなってきて困ったポルフィは、ある一軒の家にこっそり入って夜を明かすことにする。

第19話 「イタリアの港で」


(2008年05月11日)

19.jpgイタリアの大地に降り立ったポルフィ。小さな港の広場で、ポルフィはまだ朝食も取っていないことに気づき、何か食べようとそばの屋台に立ち寄った。ポルフィがポテトを買おうと差し出したギリシャのお金は、イタリアでは使えないものだった。戸惑うポルフィのために、屋台の主人が代わりに両替をしてきてくれるが、駄賃とばかりにお金を半分抜き取られてしまう。しかし、その場に居合わせた少年レオンがお金を取り返してくれた上に、港にいた不良たちからも助けてくれたのだった。レオンは行く当てのないポルフィを自分の親方マリオの元に連れて行く。ポルフィのあまりにも無謀な旅にレオンは叱咤するが、ポルフィの身の上話を聞き涙したマリオと妻のコンスタンツェは、しばらく自分の整備工場で整備工としての修行をするよう提案する。そして託されたタクシーの修理を一人でこなすという初仕事を無事に終えたポルフィ。自分も戦争で家族を失っていたレオンは、ポルフィに自分の工具の一部と、蓋付きのコンパスをくれるのだった。

第18話 「さよならギリシャ」


(2008年05月04日)

18.jpgペンキ塗りのアルバイトをやり遂げ、お金を手に入れることができたポルフィは、港へ向かいイタリア行きの切符を購入する。船に乗り合わせた小さな女の子マリカは、ポルフィの肩に止まっているアポロに興味津々。仲良くなったマリカはポルフィに家族を紹介する。ポルフィの話を聞いたマリカの両親は、身の上を案じてチーズパイを分けてくれた。それは、母アネークの作ってくれたものと同じ味がした。幸せそうなマリカと家族を見つめ、孤独を感じるポルフィ。今日が自分の誕生日だったことを思い出し、淋しさに耐えながら船上での夜を過ごす。翌朝、マリカの父アルフィオの協力で、定期的に船に乗っているトラック運転手から、ミーナに似た女の子が先週イタリア行きの船に乗っていたと教えてもらう。希望が見えたポルフィが顔を上げると、とうとうイタリアの地が目の前に現れた。